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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『リーサル・ウェポン』感想

リーサル・ウェポン (字幕版)

刑事のバディムービーとしてはお手本になりそうなくらいに安定して面白かった、というかお手本にされてきたんだろうな。正直、ストーリーに特筆すべき点はないけど、ベトナム戦争の従軍経験者である二人の刑事のやり取りがいい。

特に、ちょっと不安定で危ういリッグスのキャラクターが面白い。破天荒な刑事なんてよく見るキャラクター設定だけど、自殺願望を持っているのは予想外だったな。序盤にリッグスが死んだ妻の写真を見ながら自殺しようとするけど、この時のメル・ギブソンの演技に思わず見入ってしまったし、むしろこのシーンが一番印象に残っているかもしれない。あとディクシー宅の爆発後、怪しい男を見たという子供たちにマータフが事情聴取をするシーンは笑った。

ただ、クライマックスのリッグスとヨシュアの果たし合いは蛇足だったよーな。メル・ギブソンの格好良いシーンを入れときたかったのかもしれないけど、冗長なのもあってここで白けてしまった。

『マザー!』感想

マザー! (字幕版)
今まで600本近く映画を見てきたけど、胸糞レベルでいうなら上位に来る。主人公夫婦の広い家に見知らぬ人間が次々やってきて厚かましく図々しくやりたい放題するというだけの話なんだけど、これが本当に見ていて嫌な気分になる。それが延々と。とにかく如何にして観客をイライラさせられるかを目的にしているような混沌の映画で、間違いなく苛立たされるんだけど何故か面白いとも思える自分がいて、好きか嫌いかで聞かれたら好きなんじゃないですか多分。なんでや。

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『ロブスター』感想

ロブスター (字幕版)
期日までにパートナーを見つけないと強制的に動物にされてしまう世界を舞台にした不条理コメディで、とにかく変な映画だった。ヨルゴス・ランティモスらしい作品だと思うけど、『籠の中の乙女』や『聖なる鹿殺し』は面白かったのにこちらは合わなかった。「動物に変えられてしまう」という設定が面白そうなのにあくまでも設定でしかなく、そこには迫っていかないんよね物語が。あと単純に映画が面白くない。前半と後半とで両極端な世界を描いて現代社会の有り様を風刺しているのかなと思うけど、私には刺さらない描き方だったな。ラブストーリーとしても興味が持てず、後半ははっきり言って退屈。これならホテルでの滑稽な様子が見られる前半の方がまだ楽しめた。

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『名探偵コナン / 天国へのカウントダウン』感想

黒ずくめの男たちの組織が登場するけど、あの組織は原作で動かさにゃならんから劇場版で思い切ったことは出来んだろうというメタなあれこれがあり、大した出番も無さそうだなと思ってたら意外にも結構絡んできた。まあ人違いで人を殺そうとしてたあたりはアホだけど(しかしウェーブをかけた園子は可愛かった)、それでもジンは登場するだけで緊張感を生んでくれる美味しいキャラクターではあるよねやっぱり。格好良いもんな。あと哀ちゃんの出番が多かったのが単純に嬉しかったし、コナンに恋する歩美ちゃんを始めとして少年探偵団も活躍するし蘭も大きな見せ場があり、バランスが良かったように思います。事件や推理要素にそこまで魅力はなかったけど、『コナン』はミステリよりもこういうハリウッドのアクション映画みたいなスケールの大きいスペクタクルに振り切った方がずっといいのかもしれない。

『ガタカ』感想

キービジュアルの印象から遺伝子管理社会を舞台にしたスタイリッシュなSF映画かと思ってたんだけど、それは間違ってはいないものの、愚直に夢を追いかける主人公を映す青春映画でもあったのは予想外。殺人事件が起きたりしてサスペンス要素もあるにはあるけど、こちらは副次的なものでしかない。が、運命に抗えなかった者と抗おうとする者を描いた、切ない人間ドラマが意外にも良かった。

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『フルメタル・ジャケット』感想

海兵隊のブートキャンプやベトナム戦争の風景を淡々と映し、道徳や尊厳が破壊された末に剥き出しになる残虐性を浮き彫りにしていく。見る前は反戦映画だろうと思ってたんだけど、カメラが向ける目はなんだか無機質で、そこはちょっと意外でした。

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『ライフ・イズ・ビューティフル』感想

主人公の後先考えない自己中心的な振る舞いをギャグや美談として描くような作品は特大地雷なので、名作と名高い『ライフ・イズ・ビューティフル』も合うはずがなく、私にとっては嫌いな作品になってしまった。

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