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『マザー!』感想

マザー! (字幕版)
今まで600本近く映画を見てきたけど、胸糞レベルでいうなら上位に来る。主人公夫婦の広い家に見知らぬ人間が次々やってきて厚かましく図々しくやりたい放題するというだけの話なんだけど、これが本当に見ていて嫌な気分になる。それが延々と。とにかく如何にして観客をイライラさせられるかを目的にしているような混沌の映画で、間違いなく苛立たされるんだけど何故か面白いとも思える自分がいて、好きか嫌いかで聞かれたら好きなんじゃないですか多分。なんでや。

キリスト教というか旧約聖書がモチーフになっているらしいことは夫婦の会話からも察せられるけど、とりあえずそこら辺に関しては詳しくないので無視。不愉快なのになんで面白いと思ったのかもよく分からん。まあ分からなくてもいいんでしょう。終盤になると訪問客による暴挙のスケールが増して逆に苛立たなくなるんだけど、それも含めて面白かったななんか。

そして不愉快だからこそなのか、主演のジェニファー・ローレンスの美しさが印象に残っています。受難というにはおぞましい目に遭う彼女が輝いていて、可哀想なんだけどすんげえ可愛かった。そしてとことん可哀想な目に遭った末に解放された(最後のやり直しで起き上がった妻はジェニファー・ローレンスではなくなっている)ので、そこは素直に良かったねと思えた。一方「赦し」に拘る夫は創造主とか神とかそこら辺っぽいし人間の尺度で測れるような存在ではないのだろうけど、無宗教の罰当たりなので「ちんこもげたらいいのになこの野郎」ってずっと思ってましたよ私。