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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ドラえもん / のび太の大魔境』感想

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『宇宙開拓史』の感想でドラえもんの秘密道具と冒険の相性の良さについて書いたけど、今回は一部とはいえ道具を使えなくなるのが、こう来るとは思わなくてちょっと悔しい。そこからジャイアンの成長へと繋がっていくのもいいし、使えなかった道具が後半の一番盛り上がる場面で輝くのも燃える。舞台となるバウワンコ王国も、MCUのワカンダっぽさがあって結構楽しかった。あそこまでのハイテク技術は持ってないようだけども。しかしいきなり足を組んで拍手するペコには吹いたやんけ。

今回はみんなそれぞれ見せ場が用意されていて特にしずかちゃんはMVPと言っていいけど、もっともフィーチャーされていたのはやっぱりジャイアンだった。彼の身勝手で意固地なところが出てくるんだけど、自分のせいでみんなを危険を遭わせたことだけはきちんと認めているのがいい。自分の失態を認められない人は多いけど、ジャイアンは認めた上でずっと悩んでいた。だからペコについて行くシーンが輝くのだと思う。

ところで約束先取り機は便利に見えるけど、約束を守れなかったらどうなるのかと考えるとゾッとする。いやでも、そもそも未来に約束を守れなかったら発動しないんか。それならまだいいんだけども。

『コンタクト』感想

コンタクト (字幕版)

コンタクト (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

ガチガチのSFかと思いきや、科学と宗教の関係に踏み込んだわりとスピリチュアルな映画で驚いた。しかし私は科学にも宗教にも疎いので、この二つの対立構図はピンと来ない。人類の95%はそれぞれの神を崇めているから無神論者が人類の代表として宇宙人に会うのは許されない、という価値観にはのけ反ったもんな。残りの5%は無視かい。更にエリーへの感情移入も難しく、パーマーとのロマンスにも興味が持てないのでは話に乗りづらい。私には向かない作品だった。

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『ドラえもん / のび太の宇宙開拓史』感想

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遠い惑星とのび太の部屋が畳一枚を隔てて繋がってたり、コーヤコーヤ星の春夏秋冬、月や動物の描写などにロマンが詰まっていて、大人になってから見ても楽しかった。あと大冒険ではピンチが多いから最低限の安全が保証されてる日常以上にドラえもんの秘密道具が輝くようになっていて、『ドラえもん』という作品と「映画」という媒体の相性の良さに今更気づく。スーパーマンドラえもんも可愛かったし、のび太も特技が活かされてたのがいいな。「のび太くん」と呼ぶしずかちゃんも新鮮。

しかし今見ると、ジャイアンスネ夫の横暴ぶりは本当に理不尽だなとも思ってしまった。でも危険なのにのび太のピンチに迷いもなく駆けつけるところは、分かってはいてもホロリと来てしまうのがずるい。

『胸騒ぎの恋人』感想

胸騒ぎの恋人(字幕版)

胸騒ぎの恋人(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/04
  • メディア: Prime Video

気弱なフランシスとプライドの高いマリーが糸の切れた凧のような美青年ニコラに惚れて、嫉妬したり探りあったり喧嘩したりシャーッとなったりする話なんだけど、ニコラの言動に振り回されて必死になる二人の幼稚で滑稽な姿が愛らしかった。特にマリーの回りくどさはだいぶ面倒なんだけど、自分にも身に覚えのあるものでよく理解できるのが痛くて面白い。「Bang Bang」も楽曲の威力が高かった。

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『マイ・マザー』感想

マイ・マザー(字幕版)

マイ・マザー(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/04
  • メディア: Prime Video

「母を愛せないが、愛さないこともできない」という少年ユベールとその母の、剥き出しの愛憎を描く100分でした。毎回この親子は些細なトリガーから生々しい罵り合いになるんだけど、不思議と見続けられる妙な魅力がある。洗練されておらずめちゃくちゃ荒い映画ではあるけど、その荒さも好み。それはそれとして疲れるのも事実で、罵倒はほんっとーにエネルギーをごっそり持ってかれるんだなと実感する。あと最後までグザヴィエ・ドランの前髪が気になってしょーがなかった。

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『ザ・ギフト』感想

ザ・ギフト (字幕版)

ザ・ギフト (字幕版)

  • 発売日: 2017/03/08
  • メディア: Prime Video

新居で心機一転頑張ろうと張り切る夫婦と、その夫婦に奇妙なプレゼントを送り続ける得体の知れない男を描いたサスペンス・スリラー。ストーリーもキャラクター像も分かりやすく、でも捻りもあって最初から最後まで楽しめた良作だった。キャストも全員良かったけど、中でも初登場から不気味で妙に存在感のあるゴードがいい。エンドロールで気づいたけど、監督も兼任してるのなゴード役のジョエル・エドガートンて。

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『ドライヴ』感想

ドライヴ(字幕版)

ドライヴ(字幕版)

  • 発売日: 2015/02/16
  • メディア: Prime Video

自動車修理工でありスタントマンであり逃がし屋でもある主人公の、一途な恋とバイオレンスとカーチェイスが描かれるサスペンスムービー。寡黙で穏やかに見えた主人公の凶暴性、光と影の切り取り方が印象的な映像、小さな密室でロマンスとバイオレンスが剥き出しになるエレベーターのシーンのような極端な二面性の並列と、コントラストを意識した作りになっているのが面白かった。カーチェイスも派手すぎないところが渋い。音楽も格好良くて、特にアイリーンとベニシオを家に送る途中で寄り道をするシーンとエンディングで流れた「A Real Hero」のシンセサウンドが心地良かった。キャストもライアン・ゴズリングは気怠い男が豹変してしまうという危険な主人公像にハマっていたし、キャリー・マリガンも主人公が惚れてしまうのも分かるほど可愛かった。

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