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『胸騒ぎの恋人』感想

胸騒ぎの恋人(字幕版)

胸騒ぎの恋人(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/04
  • メディア: Prime Video

気弱なフランシスとプライドの高いマリーが糸の切れた凧のような美青年ニコラに惚れて、嫉妬したり探りあったり喧嘩したりシャーッとなったりする話なんだけど、ニコラの言動に振り回されて必死になる二人の幼稚で滑稽な姿が愛らしかった。特にマリーの回りくどさはだいぶ面倒なんだけど、自分にも身に覚えのあるものでよく理解できるのが痛くて面白い。「Bang Bang」も楽曲の威力が高かった。

ただ、スローモーションを多用しているからか短い映画なのにちょっともたつく感じもあり、長く感じてしまった。たびたび挟まれる恋愛インタビューも頻繁にズームインとアウトを繰り返すのがだいぶ鬱陶しくてあまり好きな演出ではない。

ニコラは私にはつまらない男としか思えなかったけど、本人もそれを自覚している節があるのが厄介。そして彼のような男に惹かれてしまう人がいるのも理解出来る。けどニコラは実質トロフィーとも言うべき存在で、この作品においてはフランシスとマリーを描くためのダシになっているのが面白かった。まあニコラはダシにされても気にせんのだろうけども。

フランシスとマリーの恋の終わりは呆気なかったけど、次の恋も呆気なく始まるのは笑った。懲りてないけど懲りることが出来ないから「熱病」なんだろうし、まさに病に侵されたような二人の表情も良かった。また同じ人に惚れるあたり、いっそ運命的ですらある二人が可愛らしい。