ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『クルーレス』感想

クルーレス (字幕版)

クルーレス (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

高校生の友情や恋愛を描くティーンムービーで、とにかくシェールを演じたアリシア・シルヴァーストーンの可愛さを大前提としているよーな作品だった。それくらいに主人公が魅力的で、人形みたいに可愛い彼女の思い切ったファッションを眺めるだけでも楽しい。外見だけでなく表情なんかも可愛いんだけど、特に色んな感情を如実に伝えてくる口元がいいな。

しかし無免許でジープを転がし、普段からやるのは駄目だけどパーティでマリファナをキメるのはOKというシェールの謎の倫理観は、当時のアメリカの高校生にはありがちなものだったんでしょーか(今もか?)。でもカースト上位にいて上から目線で他人にお節介な変身を押し付けていたシェールが、自分の考えや振る舞いを恥じて反省し、今度は自分が本当に変身しようとする流れは自然で良かった。主人公の成長物語としても気楽に見れたし、若いポール・ラッドが登場するのも美味しい。

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』感想

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Prime Video

私は洋画が好きで恋愛映画も積極的に見るタイプではないけど、これはそんな私でも素直に楽しめた。前半は甘酸っぱいシーンの連続でちょっと見ていて恥ずかしくもあるんだけど、福士蒼汰小松菜奈があんまりにも似合ってるからそこまで苦じゃなかった。淡い光に包まれた映像もすごく綺麗で小松菜奈が更に可愛くなってたよーな。あと今はちょっと厳しいけど、コロナが落ち着いたら京都に行ってみたくなった。

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『ROAD TO HIGH&LOW』感想

ドラマの総集編と聞いて迷いつつ、ドラマまで追いかける余裕はないから結局見たんだけど、映画を一通り見てから総集編を見たのは逆に良かったのかもしれない。初見だとキツそうだけど、キャラクターもだいたい把握している状態で見れたからまあまあ楽しめたのだと思う。

印象に残ったのはノボルとチハルで、コブラとチハルの猪木講座は笑った。村山も『ザワ』を見た後だとまだ若いところがあって可愛いし、コブラに倒された後の関ちゃんとのやり取りも微笑ましい。

『パプリカ』感想

パプリカ

パプリカ

  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: Prime Video

ストーリーは細かい部分まで理解出来てる自信はないんだけど、基本的には「DCミニを盗んだ犯人を追いかける流れ」と「粉川のトラウマを解決する流れ」の二本しかないシンプルな構造だったので何とかついていけた。悪夢のようで天国のようでもある、夢の世界の映像表現にも魅せられた。パプリカが夢の世界で色んな格好になるのも見てて楽しかったし、OPの曲と映像も『パプリカ』という作品に合っていた。

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『グリーンマイル』感想

グリーンマイル (字幕版)

グリーンマイル (字幕版)

  • 発売日: 2015/01/05
  • メディア: Prime Video

三時間を越える大作だと聞いてなかなか見る気が起きなかったんだけど、いざ見てみたらまったくだれなかったし、それどころかあっという間だった。刑務所という閉鎖的な空間で描かれるドラマが濃密で、極上の物語を堪能できたという満足感がすごい。鑑賞後の余韻も長く、これもちょっと久しぶりの体験だったな。

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『キングスマン』感想

気持ちよく「面白かった!」とは言えない作品だった。大好きなスパイアクションだし、私得なキャスティングだし、表向きは仕立屋職人である英国紳士が裏では一流のスパイとして戦うという設定が格好良いし、傘や時計といったガジェットにもわくわくしたし、円卓の騎士から引用しているコードネームは厨二感満載だし、教育係マーリンのキャラクターも良かったし、と好みの要素はいくつも取り揃えてあるのに肝心なところをことごとく外してくるのは何なんだ。面白かったけど、もっと面白くすることは出来たと思うから不完全燃焼感が強い。

ブラックな要素も割と好きな方だと思ってたんだけど、これも作り手のセンスと匙加減によって変わるのだなということを学習した。「威風堂々」を流しながら上流階級の人間の頭がポポポポポンと爆発していくところは笑ったけど、スウェーデンの王女とのアナルセックスなんかは「面白いと思ってやってんのかな……」と冷めた目で眺める自分がいた。ノリノリで王女に応じるエグジーのキャラクターがよく分からん。

そもそも前半と後半でエグジーが変わりすぎててピンと来なかった。チンピラからエグジーが逃げるシーンは良かったんだけど、あそこからハリー並みの戦闘能力を持つようになる、てのが結びつかない。訓練を兼ねた新たなキングスマン選考試験も、ロキシーのキャラクターは薄いし犬を殺させることで覚悟を問う試験も釈然としないしで面白くない。「マナーが人間を作る」という台詞が重要そうなのに、マナーを教えるシーンがほとんどないからハリーとエグジーの師弟関係にもエグジーの成長にも階級格差への問題提起にも上手く生かされてないよーな。

あと私はずっとハリーが主人公だと思っていたから、エグジーが主役だったことに驚いた。ただ、エグジーは悪くはないんだけど主役を張るにはちょっと物足りない。というかハリーが魅力的すぎた。そもそもハリーの唐突な退場は教会での長回しの虐殺に燃えた直後ということもあり、テンションを無情にも断ち切られた感があって衝撃より困惑が大きかったんだけども。意地悪な展開は好みなんだけど、これは意地が悪いというよりあんまり上手くないなと感じちゃったな。「師匠の死」は王道展開だしハリーを殺すのはいいんだけど、いきなり殺されたのとエグジーとハリーの関係の描写が薄いので上手く没入出来なかった。更にハリーの死は「死んだ」と伝えられただけだったから、終盤の美味しいところで登場するんだと思ってたけどそれもない。この外し方は意図的なものなのかなと思うけど、少なくても私の好みではなかった。

ヴィランであるはずのヴァレンタインも、中の人は濃いのにキャラクターが浅い。義足で戦うガゼルの方が目立ってたけど、終盤のエグジーとガゼルの戦いはあんまり燃えなかった。そしてヴァレンタインが浅いキャラだったから、ヴァレンタインの思想に染められたアーサーも浅く見えてしまったのが残念。マイケル・ケインが好きで期待していたから尚更。更にこれで一気にキングスマンがしょぼく見えてしまったのがな……。独立した諜報機関という設定にはわくわくしてたんだけども。

良かったのはハリーのキャラクターで、それはコリン・ファースの力によるところも大きかったと思う。ハリーのキャラクターが良くも悪くも作品に多大な影響を与えているけど、それはそれとしてハリーはパーフェクトといっていい。予告でも見たバーでハリーがチンピラを大人気なく倒すシーンと、ハリーが教会でキリスト教原理主義者を次々と殺戮するシーンは最高。特に後者は長回しで撮られているのが特徴で、計算し尽くされた動きと構成に惚れ惚れした。殺し方殺され方のバリエーションが豊かなのもいい。コリン・ファースがこんなバリバリのアクションをこなすとも思わなかったから尚更印象に残る。あーあとエグジーママによる『シャイニング』パロも好き。

もう「騎士道精神に則ったハリーを主人公に据えつつブラックな要素も取り入れたスパイアクション」で良かった気がする。エグジーは二作目に登場させたらいいし、それなら基本的な説明を割愛してその分描けることも増えたと思うのだけども。

振り返ってみたら不満だらけの感想になってて笑った。あんまりにももどかしくて爆発してしまったらしい。『キングスマン』のバカバカしいノリに素直に酔えたら良かったんだけど、「おもてたんと違う!」のはいいとしてもそこで出されたものがあまりにも……。とりあえず『大逆転』と『ニキータ』と『プリティ・ウーマン』と『マイ・フェア・レディ』はそのうち見ようかなとは。あとマクドナルドに行きたくなったからダブチー食べに行くか。