セレブの家に住み込みで子守として働くアニーの話なんだけど、アニーからミセスX、ハーバードのイケメンに至るまでキャラクターはみんな薄く、ストーリーも定型的で可もなく不可もない。ちょっと目を引くのは博物館のジオラマ風演出なんだけど、これもあんまし上手く機能してないよーな。最後のビデオテープ云々も強引だし、アニーの怒りの爆発力がそれほどでもない上に言葉にも力がないから解放感がない。
中盤以降はスカヨハやクリエヴァを鑑賞する気分で眺めていたけど、スカヨハの厚い唇は最高なんだよなやっぱり。
原作は子供の頃に数冊読んだきりで内容もほぼ忘れていたからか、新鮮な気持ちで見れた。原作にあった泥臭さはなくなっているけど、そこは敢えて追求せず役者の振り切った演技で攻めていたのが上手く作品にマッチしたのではないかな。『カイジ』をこーゆーアプローチで実写化したのは正解だったと思う。あと原作の名台詞も武器になっていて、カイジの「キンキンに冷えてやがるっ……!」や「うめーっ、悪魔的だああ!」、利根川の「質問すれば返ってくるのが当たり前か!」、「世間はお前らのお母さんではない!」、「勝たなきゃゴミだ!」、「金は命より重いんだ」などが聞けるだけでもテンション上がる。
あと山本太郎や松山ケンイチが出ていたのも驚いたんだけど、藤原竜也の代表作である『バトロワ』や『デスノ』の主要キャストを出しているのが、サービスなのかたまたまなのかは不明だけどミーハーなのでやっぱりニヤニヤしちゃうんだよな。遠藤は原作では男だったように記憶しているけど、具体的にどんなキャラだったのか覚えていなかったこともあり、天海祐希版遠藤も上手くオチがついていてこれはこれで悪くなかったと思う。結構好き。
続きを読むマーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げた経緯とその裏の人間模様を、和解協議が行われる現在と過去を行き来しながら描くドラマ。Facebookに興味はないものの、デヴィッド・フィンチャー監督は刺さる作品が多いので期待してたんだけど、ちょーっとハードルを上げすぎたかなと。ハイライトもなくスピーディに淡々と描かれるからか、マークの天才ぶりやドロドロした人間関係が浅いように感じて没入出来なかった。役者はジェシー・アイゼンバーグとアンドリュー・ガーフィールドはハマっていたと思うし、マークのキャラクターも面白そうなのに刺さらなかったんだよな何故か。
続きを読む愛想が悪く子供も嫌いのキンブルが子供たちとの交流を経て変わっていく、という主人公の成長物語ではあるんだけど、基本的にはシュワルちゃんが幼稚園児に翻弄される図を楽しむための作品。
ただまあシュワちゃんは可愛かったんだけど予定調和な展開ではあるので、中弛みも感じてしまった。ジョイスもヒロインというには個性がなく、キンブルと彼女のシーンも面白くない。なのにジョイスの出番がそこそこあるのもちょっとしんどい。クリスプも雑なキャラ造形で今ひとつ。そんな中、相棒のオハラは出番は多くはないのに輝いていた。彼女には婚約者がいて、キンブルとは恋愛関係にならないところも心地良かった。