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『カイジ 人生逆転ゲーム』感想

原作は子供の頃に数冊読んだきりで内容もほぼ忘れていたからか、新鮮な気持ちで見れた。原作にあった泥臭さはなくなっているけど、そこは敢えて追求せず役者の振り切った演技で攻めていたのが上手く作品にマッチしたのではないかな。『カイジ』をこーゆーアプローチで実写化したのは正解だったと思う。あと原作の名台詞も武器になっていて、カイジの「キンキンに冷えてやがるっ……!」や「うめーっ、悪魔的だああ!」、利根川の「質問すれば返ってくるのが当たり前か!」、「世間はお前らのお母さんではない!」、「勝たなきゃゴミだ!」、「金は命より重いんだ」などが聞けるだけでもテンション上がる。

あと山本太郎松山ケンイチが出ていたのも驚いたんだけど、藤原竜也の代表作である『バトロワ』や『デスノ』の主要キャストを出しているのが、サービスなのかたまたまなのかは不明だけどミーハーなのでやっぱりニヤニヤしちゃうんだよな。遠藤は原作では男だったように記憶しているけど、具体的にどんなキャラだったのか覚えていなかったこともあり、天海祐希版遠藤も上手くオチがついていてこれはこれで悪くなかったと思う。結構好き。

ただ、じゃんけんやEカードなどの肝心のゲームがスピーディに進行するのは良かったんだけど、それだけに鉄骨を渡り歩くゲームのもたつきが気になった。カイジと石田さんの迫真のドラマが、モノローグを削って台詞で説明するのもあってすんげえくどいんだよねここだけ。もっとサクサク進めて、その分じゃんけんの尺を増やしたほうが良かったかなと。でもわざわざ挙げるほど気になったのはこれくらいで、あっと驚くような展開や仕掛けはないけど、終盤の藤原竜也香川照之によるオーバーアクト合戦は楽しかったのでそれでオッケーだ。「ざわ……ざわ……」をきちんと再現してくれているのも良し。