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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『HiGH&LOW THE WORST』感想

めちゃくちゃ面白かった。長回しを多用する喧嘩のシーンはハリウッドのアクション映画にも引けを取らないレベルだと思うし、戦う男を格好良く撮ることに関してはもう国内どころか世界を基準にしても最高峰と言っていいと思うな。キャラクターも相変わらず多いというか鬼邪高定時組以外は知らないキャラばっかだったけど問題なくついていけたし、幼馴染み組、鬼邪高全日組、鬼邪高定時組、鳳仙組と複数の視点で進行していくのに混乱しないのが本当にすごい。逆に牙斗螺はあまり印象に残ってないんだけど、これだけキャラクターが多い場合はむしろ正解だったんじゃないかとも。

良かったのはやっぱり売りのアクションで、中盤の河原での鬼邪高と鳳仙の戦いも盛り上がったけど、鬼邪高と鳳仙で薬をキメた牙斗螺に襲撃をかけるクライマックスの攻城戦がクッソ熱い。轟の投石からの反撃はBGMも含めて上がるし、脚立を駆使したアクションもダイナミックで観入る。あそこでみんなが楓士雄を先に行かせようとするのも、それに応えて楓士雄がガーッと登っていくのもベタだけど鳥肌が立つ。小田島の「毎度、殺し屋鳳仙だす!」でBGMが止まるのも卑怯。サッチーはちょっと細く見えて鳳仙の頭という感じはしないんだけど、バトルが始まると結構強そうに見えてくるからやっぱり撮り方が上手いんだな(ちなみに沢村と唯がイチャイチャしてるのを見て卒倒するラストが好き)。

定時組と幼馴染みの卒業組にもちゃんと見せ場があるのも良かったけど、中でもやっぱり村山は色んな意味で破格。「鬼邪高の祭りは村山通せや」は美味しい台詞でニヤニヤした。自主退学(実質卒業に近いか)はちょっと寂しいけど前からフラグは立ってたし、仕事してる村山も格好良かったので良し。職場の大人もそれぞれいいんだよな。本当に小沢仁志が出てきた時は吹いたけども。

キャラクターも当然良かったんだけど、楓士雄はキャラがしっかり立ってて魅力的な主人公だったし、村山は元々好きなキャラだったところに更に美味しいところを持っていくし、小田島も色気があってずるい存在だったから悩むんだけど、ここはやっぱり轟を推しておきたい。楓士雄や村山との関係もいいし、何かと小田島のライバルみたいなポジションにいたのも面白かった。反撃の狼煙となったあの投石はシルエットも含めてフォームが完璧だったのは言うまでもないけど、飛び蹴りも美しい。

『ハイロー』シリーズは『ザム』からずっと見てきたけど、この『ザワ』が一番面白かったし一番好きかもしれない。顔とアクションとキャラクターとシンプルなストーリーできちんと盛り上げて殴ってくるというシリーズの分かりやすい魅力が、今回は洗練されていたように思います。楽しかった。名作。