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『新聞記者』感想

新聞記者

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  • 発売日: 2019/10/23
  • メディア: Prime Video

実際にあった安倍政権時代の数々の不祥事をモデルに引用しつつ、国家の暗部を暴こうとする記者と国家の歯車として葛藤する若き官僚を描くサスペンスで、こういう映画が大々的に公開されたことは歓迎すべきだと思う。けど、肝心の内容はあんまし。

気になったのが新聞社と内調の画面演出で、新聞社のシーンでは毎回鬱陶しいほど画面がグラグラ揺れるし内調のシーンではブルートーンの暗い画面が映し出されるのがちょっとな。画面をしつこく揺らされても辛いし、内調の異様な画も単なるイメージにしてもやり過ぎじゃないですか。あんな無機質な部屋でTwitterを開いてクソリプ飛ばしたりデマを拡散したりして、内調が黙々と世論操作してるのはちょっと面白かった。

「軍事利用も見据えた生物兵器を開発するために大学を新設する」という政府の計画は、いきなりトンチキな発想が生えてきてびっくりした。機密文書をスマホでパシャパシャ撮ってる杉原の姿もなんかこう切ないものがある。まあ私は神崎の自殺の理由もよく分からなかったんだけども。あとレイプ事件が中盤からまったく話題に上らなくなったことにも、暗澹たる気持ちになってしまった。

最後の杉原の謝罪から察するに、二人ともそれぞれ父親と神崎の二の舞になりそうな結末で締めたのは好み。