弱小相撲部の成長を描く青春映画で、ストレートな王道ストーリーが楽しかった。序盤は春雄役の宝井誠明の演技が気になってしまったけど、なんだかんだで最後には春雄も含めてみんないいキャラクターだと思えた。特に食えない男かと思いきや、熱くて有能な顧問としての顔を見せるようになる穴山先生が印象的でした。キャラクターの名前に春夏秋はいるのに冬が見当たらず、青木の下の名前かと思ったら穴山先生だった、てのがなんか好き。主役の秋平、相撲を愛する青木、クリスチャンの田中、外国人留学生のスマイリーもそれぞれ見せ場があったし、一見バラバラなチームに見えるけどいざという時は一丸となって戦う、てのは単純なんだけどやっぱり楽しい。
最後は秋平が青木と同じ立場になり、「万年落ちこぼれの相撲部」ではなくなったもののここからがたいへんだろうけど、だからこそ秋平の成長と覚悟がシコを踏む姿からも伝わってきて気持ちのいい終わり方だった。夏子も一緒にシコを踏むのが、「女は土俵に上がるな」というルールに反抗するかのようで熱くなるんですよね。
しかし当たり前だけど役者がみんな若いな！ まず竹中直人の若さにびっくりした。青木が試合の際に緊張して下痢になるのは、実際そういう症状に悩まされている人が身近にいるので笑いどころだと理解しつつも青木が気の毒に思えて笑えなかったけど、それはそれとして竹中直人は面白かったです。モックンも初々しい演技をしていて新鮮でした。
