認知症のおじいちゃんが手紙の指示を頼りに復讐に行く話なんだけど、認知症だから危なっかしい行動のオンパレードで、見ているこちらが冷や冷やさせられるタイプの映画だった。手紙を他人にあっさり見せたり、そんな場合じゃないのに呑気にアニメを見て笑ってたり、人を殺した後に倒れるように寝てしまったり、起きてからも手紙になかなか辿り着けなかったり色々とまあ。
そもそも手紙を書いたマックスを信用するための判断材料がこの映画を見ている視聴者にはなかなか与えられず、なのに手紙を前提として進行するというすんげえ落ち着かない展開が心を騒つかせてくる。特にナチ信奉者を殺すシーンは緊張した。だからこそ面白かったし、最後に明かされた真相もマックスが怪しいとは思っていたのにまったく気づけず普通に驚かされた。
ただ、復讐劇は復讐の是非より執念を感じさせるものが好きなんだけど、そういう意味で今回のマックスはちょっと浅い。クリストファー・プラマーの演技は素晴らしいし面白い映画なのは確かなんだけど、物足りなさも否定出来なかった。