ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『クイーンズ・ギャンビット』感想

チェスの天才少女が男性優位の世界で成長していくドラマ。八月からちまちま見始めて、本日ようやく見終わった。少年漫画のフォーマットを踏襲したかのような第一話から始まって中盤はちょっと逸れつつ、最後にはやはり少年漫画のような展開で終わる。ベスを演じたアニャ・テイラー=ジョイが個性の強い魅力的な空気を持っていて、チェスが分からなくても盤面を映さなくても戦況を雄弁に訴える力強い目が良かった。才能を持っているけど破滅的な生き方をしてしまうベスのキャラクターも面白いし、ファッションも可愛くて目の保養になった。音楽もいい。面白かったです。

印象的なのはベスと継母アルマの関係で、アルマは子の才能を食い潰す毒親になるのかそうでないのかが最初は読めなかったんだけど、型通りではない親子関係へと展開していくのが新鮮。あとベスの特訓に付き合ってくれたベニーもいいんだよね。ベスに近い才能を持ちながら、それでもベスとは違うところもある。たまにセックスもしたりするけど恋愛感情を持たない二人の距離感が心地良かった。

しかしドラマを見たのはものすごく久しぶりだったけど、私にはハードルが高いなとも改めて思ってしまった。約一時間の物語を何度も追いかけるのは尋常じゃないエネルギーを使ってしまうので、やはり映画が合ってるらしい。それでも興味のあるドラマは他にもあるので、一年に一作品くらいのペースで見てみようかなとは。