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『エスター』感想

エスター (字幕版)

エスター (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

エンタメに寄せたサスペンス・スリラーで、びびりな私でも最初から最後まで安心して楽しめた。

前半はダニーに服を馬鹿にされて学校でもいじめに遭うエスターが可哀想で、同情させられることが多かった。そもそもコールマン夫妻がエスターを養子に迎えた理由が「死んだジェシカの代わりが欲しかったから」なのが何とも。死産は気の毒だと思うけども。あとキッチンという家族の共有スペースで勝手に盛っておいて、エスターに見られたら「子供は見ちゃ駄目」と叱るのもな。だったらキッチンでしなけりゃいいだけの話で、こうした身勝手さも気に入らない。でも毎回夫婦のセックスを阻止するエスターには吹いた。

が、後半になるとさすがにケイトが可哀想になってくる。夫はボンクラだし、子供たちもエスターに逆らえず、カウンセラーも役に立たず、孤児院のシスターまで殺されてケイトはあっという間に孤立していく。一方エスターも実は33歳だったという意外な真相が判明すると、一人の女として愛されたいのに愛されないという悲哀が浮き彫りになってくる。特にジョンに拒絶されて泣きながらメイクを落とし、徐々にエスターの素顔が露わになっていくところは良かった。

振り返ってみると夫婦にはかなりイライラさせられたものの、エスターは魅力的なキャラクターだったし、最後のケイトとエスターによる女同士の戦いも結構ハラハラ出来たしで十分面白かった。ストーリーも難しいことは何一つないのがいい。