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『オールド・ボーイ』感想

オールド・ボーイ(字幕版)

オールド・ボーイ(字幕版)

  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: Prime Video

エリザベス・オルセンが美しい裸体を晒しているのに、ジョシュ・ブローリンシャールト・コプリーがケツを晒してくれたおかげで私の頭には「おっさんのケツ映画」として強く記憶に刻まれることになりそうです。

内容は一人の男による復讐劇で、こういう地獄みたいな話は大好きなので楽しかった。いきなりジョーが20年も監禁された時はワクワクしたし、犯人の狙いも悪趣味でいい。しかし入念な準備までして、エイドリアンは何故ジョーが娘を抱くように仕向けたのか。単に「父親が相手を娘とは知らずに抱いた」という絶望を与えたいだけなら、薬を使うなり何なりして強引にやらせる手もあった。そもそも他人が愛し合うように仕向けるのは難しく現実的ではない。それでも二人が自然と愛し合う形で近親相姦の罪を犯すことをエイドリアンが望んだのは、自分の父親を苦しませたジョーに父親と全く同じ苦しみを与えたかったからで、更にエイドリアンの家では家族同士の姦通は尊いものだという価値観が根付いているからでもある、と明かされた時はなるほどな、と。だからジョーとマリーに強引にやらせても意味がない。そう考えると、二人のセックスを目撃したエイドリアンの反応も解釈が変わってくる。あれは衝撃を受けたわけではなく復讐の完遂を目前にした男の歓喜だった。もちろんちょっと粗もあるんだけど、ここは思ったより攻めてきたなと思った。ただ、この作品はサクサク進むからエイドリアンの執念が軽く見えてしまうんだよね。でもこのサクサク進む感じも好きなので悩ましい。

ジョーとマリーに関しては、監禁中に見せられた番組のわざとらしさや、親切にもスマホの壁紙をわざわざ娘の写真に設定して持たせたことに作為的なものを感じてしまい、「マリーが娘なんじゃね」と疑いながら二人のセックスシーンを眺める羽目になった。まあ案の定だったけど、ジョーが自分から監禁される結末は綺麗でとても好き。でもジョーは監視人を拷問してる時が楽しそうで一番印象に残ってるんだよな。監視人がサミュエル・L・ジャクソンなのもずるい。

惜しいところもあるけど、刺さる要素が多かったので結果的には満足した。特に絶望したジョーを見て満足そうに死んでいったエイドリアンのキャラ造形が好み。掘り下げは浅いし、もうちょい彼の出番があればもっと良かったんだけども。