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『オーディンスフィア レイヴスラシル』感想

オーディンスフィア レイヴスラシル - PS Vita

トロコンはしてないけど、テキストアーカイブは埋めた=エンディングは全部見たのでひとまずこれでクリアとする。

一言でいえば面白かった。グラフィックは前評判通りすごかったけど、キャラやシナリオや音楽や戦闘や声優の演技も良かった。あまりこれといった欠点もなくアベレージの高いゲーム。PS2版はやっておらず今回初めて『オーディンスフィア』をプレイしたんだけど、思い切って買って良かった。シナリオがいい、てのは聞いてたけど予想以上だったし、まるで演劇を見ているかのような台詞回しもいい。アクションパートがメインなので台詞は最低限のものしかないんだけど、台詞のひとつひとつが濃いというかパワーがあるというか。何より私好みの展開だったのが美味しかった。特にメルセデスイングヴェイの不器用な関係に萌えた。そして恋愛描写以上に家族関係の描写が濃密で美味しい。グウェンドリンとオーダイン、ベルベットとイングヴェイオーダイン、バレンタイン王とその娘と双子の孫、オズワルドとメルヴィン、タイタニア王家。特にバレンタイン王家の闇が深くて引き込まれた。オーダインも父親としてはクズと言っていいほど駄目なんだけど、彼には王様としての立場があることも理解出来るのが……。それでももうちょっとやりようがあったんでは、とも思ったけども。ちなみにコルネリウスが父親に国のことを託して去って行った時は、後継ぎは他にいないしあんなヨボヨボの爺さん一人だけでやってくには不安すぎるし、プーカの呪いがあるとはいえちょーっと無責任な王子だなと思ったんだけど、最終的にはタイタニア王国の話どころじゃなくなりましたね……。

操作感覚は『朧村正』を踏襲しているのでプレイしやすかったし、アクションが下手な私がNORMALでプレイしてもSランクがじゃんじゃん取れるくらいに楽なのも良かった。特に無双できるのは気絶付与スキルが強いコルネリウスで、あとは使いにくいと評判のメルセデスも私には使いやすかった。オズワルドが一番使いにくかったけど、彼は元々強いので慣れるとそれなりに。スキルは大量にあるけど実際に使うのは二つくらいだったな。超必殺技みたいなのもあるんだけど、それもあまり使わなかった。マジックミックスでゼロを作って「終焉」で連発したくらいか。

キャラはどの子も良かったけど、最終的にはメルセデスに一番愛着が湧いた。イングヴェイとの恋愛描写とメルセデスの成長物語とが上手く噛み合っていたのが良かった。あれほどカエルとのキスを嫌がっていたメルセデスがキスをするシーンも自然ですげー良かったし。この二人は生きている間の再会が叶わず悲劇的な結末を迎えるが、最後の最後で死の国にいるらしいイングヴェイの目の前でメルセデスが花を咲かせている光景にぐっと来た。あとは無冠の王となったオズワルドとグウェンドリンが見た世界の奇跡。あそこはヴァニラウェアのグラフィックのすごさが濃縮されていて鳥肌が立った。もう世界で二人しかいないという絶望的な状況なのに、希望を感じさせる美しい閉幕だったなと。