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『デンジャラス・ビューティー』感想

デンジャラス・ビューティー (字幕版)

デンジャラス・ビューティー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

見る前は雑なグレイシーが華麗なる変貌を遂げていく様を楽しむコメディかと思ってたんだけど、それだけでなくミスコンの世界に集う女性を馬鹿にしていたグレイシーの中の偏見が変わっていく話で、女性同士の友情物語に着地したのも含めて予想外すぎた。けどそこがとても面白かった。

サクッと堪能できるエリックとのロマンスや、ビクターとのやり取りも緩く楽しめた。特にビクターはお気に入りで、ズカズカ歩くグレイシーに呆れて「『ジュラシック・パーク』を見てるみたい」と言ったり会場内にエリックを入れるためにゲイである自分のパートナーだと説明する機転を見せるシーンが好き。ゲイとしてはあまりにありきたりなキャラクター造形ではあるけど、マイケル・ケインが演じているというのが私には大きかった。

クライマックスのミス・アメリカ発表時のぐちゃぐちゃぶりにはすんげえ笑った。何も知らない人が見れば、ティアラを女子同士で醜く取り合っているように見えるんだろうなあれ。でもシェリルは可愛かったし、彼女の努力が報われたことを私も素直に祝福できた。一方で、グレイシーは変身前のほうが私には可愛く見えた。鼻をフガフガさせるのがキュートなんですよね。綺麗になるための努力は讃えられるべきだと思うし、直前にミスコン参加者がグレイシーのために化粧を手伝ってくれるシーンは熱かったけども。

ちょいちょいセクハラシーンが入るのは、いかにも昔の作品とゆー感じがする。特にコンテストに潜入する捜査員を選出するために水着を着せるシミュレーションで品定めしながらみんなで笑い物にするシーンは、今がどうこうではなく当時の価値観から見ても酷いんじゃなかろうか。グレイシーもその輪の中にいたのがまたアレなんだけど、だからこそ終盤のグレイシーの反省と成長が感慨深い。