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『オデッセイ』感想

オデッセイ(字幕版)

オデッセイ(字幕版)

  • マット・デイモン
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アクシデントで火星に一人取り残された宇宙飛行士が、なんとか生き延びようと奮闘する決死のサバイバル・ドラマ。

通信手段はなく居住ユニットと僅かな食料だけでワトニーが問題を一つずつ片付けていく様子が淡々と描かれるんだけど、ポジティブでユーモアを忘れないワトニーのキャラクターと絶望的な状況にそぐわない明るい音楽のおかげで悲愴感とは無縁だったのが面白かった。補給機の打ち上げが失敗したことを知らされた時やハブが爆発してジャガイモが全滅した時など落ち込むこともあるんだけど、それでも最後まで諦めないのがマジでタフネスだなワトニー。映像日誌を撮って進行していくのもたいへん分かりやすいし、ここでも彼の魅力が出ていて美味しい。

火星のワトニーと同時進行で描かれる、ヘルメスのクルーや地球のNASAのそれぞれのドラマも面白かった。特にNASA周辺は社会的な体面を気にしたり政治的駆け引きが行われたりしつつも、ワトニーを助けるためにみんなが努力を惜しまないところがいい。都合良く進むところもあるんだけど、そこが気にならないほどテンポ良くキャラクターが動いてくれるのが強い。マット・デイモンの演技が素晴らしいのは言うまでもないけど、NASAの面々を演じたキャストもみんな良かったな。

クライマックスはちょいちょい問題が発生するからワトニー確保までハラハラしたけど、ここでもそれぞれがなんとか成功させようと奮闘するのが熱い。ワトニーが本当にアイアンマンみたいに飛ぶシーンも好き。『アポロ13』でもそうだったけど、生還できた瞬間の大歓声に沸くシーンは本当に気持ちがいい。泣いた。人間の住む地球から離れた場所を舞台にした作品は「人間の物語」の魅力をより強くしてくれるのかもしれないな、という気付きも得られて満足。明日はジャガイモ料理を食べることとします。