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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』感想

ハイアベレージで安定した面白さだった。冒頭からサクサク進む上に予想外の展開が連続して中弛みもなく、コミカルな場面が増えてチーム全員に見せ場が用意されていたのも良し。アクションの凄さは予想を超えてくるし、ジュリアの生死やブラントの苦悩などで本筋を邪魔しない程度のドラマを描きつつ、最後には伏線を回収してきたりとそつのない作品だった。そりゃ突っ込みどころだってあるし敵のヘンドリクスの影も薄いんだけど、それでもすんごい面白いからどうでも良くなってしまう。圧倒的な面白さは大正義だと言わんばかりの娯楽作品で、それが最高に気持ち良かった。

特にブルジュ・ハリファでの外窓を登るシーンがクッソ面白い。戻る時もロープの長さが足りず振り子の原動を利用……ってまたかよ! 『3』でもやっただろそれ! 相変わらずイーサンの頭がおかしくて安心した。二組の取引の同時進行も楽しい。シリーズお馴染みのハイテクガジェットを駆使するのが最高で、サビーヌの美しさも印象的だった。序盤のクレムリンで即席のスクリーンを張って監視の目を欺く「だるまさんが転んだ」的なシーンも、ベンジーのコミカルなキャラクターもあってずっとニヤニヤしながら見ちゃったものな。終盤の立体駐車場の攻防も熱かったけど、イーサンが核弾頭を無効化しようとした時に「Mission accomplished!」と叫んだのに、電源が通っておらず失敗するのはハラハラしつつもちょっと笑った。その後ルーサーに笑い話として披露しているのも微笑ましい。お馴染みの宙吊りがイーサンじゃなくてブラントだったのは意表を突かれたけど、彼の場合はなかなか飛べなかったり散々な目に遭ったりで新鮮だった。ブラントも魅力的なキャラクターだったので続投は素直に嬉しい。

最後のジュリアとのシーンは、不覚にも目が潤んだ。世界を救う立場にある人間が真っ当な幸せを手に入れるのは難しい、てのはよく描かれるけど、イーサンのやり方が一番賢明だと思うなやっぱり。ちょっと切ないけどこれまでの伏線も生きてくるし、一瞬のシーンだからこそイーサンとジュリアの互いへの理解と愛情が伝わるいい終幕でした。