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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ジョン・ウィック / パラベラム』感想

すべてを敵に回した元殺し屋の逃亡劇を描くアクション三作目。今回は今まで以上に長回しのアクションが大量に詰め込まれていて、もうお腹いっぱいになっちゃったな。相変わらずアクションシーンが見やすいからたっぷり堪能できるのも嬉しい。得物は銃、ナイフ、本、ドス、手斧、馬、犬、ベルトと多岐に渡り、戦い方のアイデアも豊富で見ていて楽しい。今回もアクションにいちいちリロードを取り入れてるんだけど、リロード音が心地良すぎて最高。ジョンの車撥ねられ芸も板についてきたし、キアヌ・リーヴスを始めとした役者陣やスタントマンもめちゃくちゃ頑張っているのが伝わる。あと今回やたら股間が狙われてるのが面白い(特にソフィアの犬がすんげえ股間に噛み付きまくる)。というわけで「アクションを堪能する」という点で見ると、今まで見てきた映画の中ではトップクラスに楽しかったです。

気になったところもある。主席連合を中心とした世界が徐々に掘り下げられ、ジョンが思った以上にルールに縛られていることも分かってくるんだけど、同時にこのシリーズそのものまでがルールに縛られつつあるようでワクワクする気持ちは順調に減っている。ぶっちゃけ主席連合に関しては面白いというより面倒だなという気持ちの方が強く、裁定人が出しゃばってくるシーンもあんまり面白くない。一作目は多くを語らず想像させることでジョンの凄さと独自の世界観を演出しており、そこに大きな魅力があったので余計にジョンやホテルをガッチガチに管理しようとしている主席連合を鬱陶しく思ってしまう。ただ、それはそれとして毒のある河豚をペロリと平らげる裁定人のシーンとか謎のトンチキ寿司職人の登場なんかは楽しめた。ホテルのロビーの広いソファでわざわざゼロがジョンのすぐ隣に座るのクッソ笑うんだよな。今回は「伝説の元殺し屋」ということで人気者状態になり、ジョンも戸惑っているのが可愛い。ゼロの弟子も楽しそうにジョンとやり合ってたし、執拗なほどにショーケースやガラスを割りまくるところなんて笑いを取りに来ているとしか思えんのよね。

ところで一番好きなキャラクターはコンシェルジュシャロンなんだけど、今回は彼との共闘があったことに燃えた。毎回美味しいんだよなこの人。タフな主席連合の部隊に辟易して二人してショットガンを取りに戻るところとかめちゃくちゃいいよね。他にも犬を撃たれて(無事だったけど)キレるソフィアや、裁定人に会う時に可愛い傘を差してたキングも出番は少ないものの印象的なシーンはあるし、次回は更に活躍してくれそうでちょっと楽しみ。

ウィンストンのラストの行動の真意については、ジョンを助けるために撃ったのかジョンを利用しただけなのかは五分五分だと思うけど、もしかしたら両方の思惑があったのかもしれない。ジョンを利用しつつ助ける、なんて芸当もあの人なら可能じゃないでしょーか。