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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『スノーホワイト / 氷の王国』感想

前作のようなスットコドッコイな展開は少ないんだけど、じゃあ面白かったのかいうとそうでもない。映像が綺麗なのと『指輪物語』っぽい雰囲気と、クリヘムの声と両手斧を駆使したアクション(斧をくるくる回す手つきがソーそのもので面白かった)と、シャーリーズ・セロンの美貌を目当てにダラっと見てたら終わったという感じ。ちょっと久しぶりなくらいに「愛の勝利」を謳うストーリーなんだけど、魅力のない主人公とヒロインのロマンスに興味が持てず私には退屈な話になってしまった。一方、姉妹の話のほうは結構面白かった。フレイヤの設定はほぼ『アナ雪』のエルサで分かりやすかったし、氷と鏡というどちらも割れたら一瞬で粉々になるほど脆いその有り様が、姉妹そのものだと思えてちょっとぐっと来る。

フレイヤは襲撃した村の子供を攫わせて戦士として育てていたけど、それは恋人との子を殺された母親の「我が子を愛したい」という欲求の代償行為で、愛を否定したはずのフレイヤがこんな歪んだ形で子供たちを愛そうとしていたのが切ない。そしてラヴェンナフレイヤの娘に嫉妬したというよりは、たった一人の妹が妹の恋人や娘に奪われてしまったように感じたのかなと。

ドワーフはいなくても良かった。彼らがいなくてもストーリーは成立するし、そもそも何故エリックについてきたのかも謎。そいや後半フレイヤがニオンとドリーナを凍らせるシーンがあるんだけど、そのまま粉々にするのかと思ったらわざわざ持ち帰ったのは笑った。なんで?

エンディングの曲(ホールジーの「Castle」)は今回もいい歌だったし、破壊された硝子の美しさを切り取ったエンドロールの映像も格好良かった。思わず見惚れてしまったほど。