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『ハンニバル』Season 2 感想

殺人事件の冤罪で収監された元アカデミーの教師と、真犯人である精神科医との対決を描くサスペンスシリーズ続編。正直シーズン1のほうがワクワクしながら見れたけど、それでも今回も多彩な死体が出てきて面白かった。サブタイトルが日本食になっているのもいいよね。しかしマッツ版レクターは魅力的なキャラクターであることは間違いないし私はこの手の男にハマりやすい傾向にあるんだけど、何故か現状そこまでハマれてないのが謎。好みが変わったんかな。

最後まで見てみると今回もレクターの一人勝ちで終わっており、思わず「いい加減にせえよこの男」とムカムカしてしまった。ムカムカさせるほどに脚本とマッツ・ミケルセンが素晴らしい。クソ野郎なんだけどそこが彼の魅力でもあるのがまた腹立たしく、ムカムカ出来ることも含めて楽しかった。しかしビヴァリーのえげつない殺され方はショッキングだったな……。あんなに綺麗にスライスできるものなのか、とそっちの方にまず突っ込んだけど、凍らせると分かってなるほどなーと納得した。

中盤は収監中のウィルが捜査の助言を求められるという『羊たちの沈黙』のレクターのようなことをして、代わりにこれまでのウィルのポジションにはレクターがついていたのが面白かった。ただ、後半はレクターに籠絡された振りをするウィルにあまり魅力がなく、ちょーっと見ていてだれた。やっぱりウィルにはレクターに対して分かりやすく牙を見せていて欲しいんですよね。

あと今回はアラーナがちょっと鬱陶しかった。自分の都合のいい真相を求めて動いているように見えたからなんだけど、視聴者の視点だとレクターが殺人鬼であることが分かるから彼女がもどかしく見えてしまうだけなのかもしれない。ちなみにラウンズは自分の悪辣さを自覚しているので、それほど嫌いではなくなってきた。まあ好きなキャラでもないけども。

これまではレクターの目的がよく見えてなかったけど、彼は要するに寂しいのかもしれない。孤独な人なので、猟奇的殺人犯に共感するというユニークなスキルを持つウィルに縋っているのは彼のほうなのかな、と。アビゲイルのこともウィルを支配するための手段として愛でていたもんな。ウィルもアビゲイルに執着しているけどそれは父性ではなく、彼女の父親を殺してしまったところから生まれているので歪んでいる。こうした歪な関係性は大好物なのですが、それでも何故かハマりきれていない。絶品なのにな。でもめちゃくちゃ面白いのは確か。