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『テッド・バンディ』感想

テッド・バンディ(字幕版)

テッド・バンディ(字幕版)

  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: Prime Video

シリアルキラーを元恋人視点から追うので殺人鬼テッド・バンディとしての姿はほぼ描かれず、実は冤罪だったのではと思わせる余地を見せてくるんだけど、テッドとリズの関係やリズの苦悩以上に裁判でのテッドの振る舞いが面白かった。裁判がテレビ中継されるのも前代未聞だったようだけど、自分で自分の弁護をするというパフォーマンスで魅せるテッドから目が離せず、彼の破天荒なキャラクターに私も惹かれた。だからこそ裁判長の最後の言葉には説得力があったし、もっと言えばリズ視点よりも単純に稀代のシリアルキラーをちゃんと見てみたかったなという気持ちがある(まあテッド・バンディを扱う作品は多いらしいけども)。

それでも「恋は盲目」、「人を見た目だけで判断してはならない」、「子供と仲良くなれるような優しくて聡明な男であっても残忍な顔を併せ持つケースがある」と訴えながら、リズが現実から目を逸らしていたのはテッドへの愛以上に「自分が通報した」という後ろめたさがあったから、と明かされた時はとても納得出来たし良かったと思う。