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『イレイザーヘッド』感想

「ここ一年ほどずっと頭おかしなるニュースばっかやな」とボヤいたら「そういう時はより頭おかしなる映画を見たらよろしい」とこれを勧められ、それも一理あるな(?)と手を出してみた。頭おかしい映画だった。現に細かいところは今でも理解出来てないんだけど、それでもビジュアルや展開が強烈なのもあって目が離せず最後まで見てしまった。デヴィッド・リンチ監督が主張したいのは「性欲に任せて出来た子供を愛せない無責任な人間は地獄に落ちるべし」とかそういうのだろうな。ただ、おぞましい姿の赤ん坊のビジュアルやヘンリーの不気味な雰囲気にはすぐ慣れたんだけど、ずーっと聞こえてくる不快なノイズは結構しんどかった。疲れました。でもこれこそが『イレイザーヘッド』の世界なんだろうと納得も出来てしまう。

実家に帰る時にベッドを執拗に揺らしながらトランクを出すメアリー、胎児にも精子にも見えるグロテスクな生き物を踏み潰す幻覚の女、泣き喚く赤ん坊の口を塞ぎなから妖しい隣人の女に釘付けになるヘンリー、赤ん坊の臓物をハサミで刺すヘンリーなど悪夢のように忘れられそうにないシーンはいくつもあったけど、ヘンリーがメアリーの家族と会食するシーンが一番インパクトあった。序盤だからより印象に残ったのもあるんだろうけど、地獄っぷりがよく伝わってきて、いやもうすんげえ嫌だよねあれ(褒め言葉)。