『ドクター・スリープ』感想

ドクター・スリープ(字幕版)

スリラー映画だった前作からサイキック映画に変わったのは驚いたけど、ちゃんと「『シャイニング』の続編」になっているのがわかるし、途中までは話に乗れなかったけど、ダンとアブラが直接会ってからは面白くなっていく。特にダンがアブラを守ることを決意してからの展開は熱い。前作のオープニングを今度は雪の降る夜に変えて再現するのも、ホテルに着いてからゆっくり前作の痕跡を辿っていくのもわくわくした。ロイドとのバーでの会話や、ローズとの対決でダンが斧を構えるのもいいんだよね。更にダンが箱に閉じ込めてきた『シャイニング』の登場人物でもあるホテルの住人を、今度は切り札として解放するのが最高。今回はあちこちから前作へのリスペクトを感じたけど、監督は『シャイニング』という映画をとても愛しているのだろうな、てのが伝わった瞬間でした。

B級感漂うヴァンパイア集団も結構好きなんだけど、特にローズのキャラクターがいい。あの帽子もずるい。あとビリーは最初から親切すぎるので疑いの目で見ていたら、本当にいい人だったから申し訳なくなった。顔を見ただけで分かる、てことは彼も能力を持ってるんだろうな。他には前作にもいた風呂場のばあちゃんが、ダンやアブラに「はいはいおばあちゃんそろそろ寝なきゃ駄目でしょ」と寝かしつけられる対象にしか見えなくなっててちょっと切なくなった。でも一番のお気に入りキャラクターはアジーで、ふるふる揺れる尾に釘付けでした。美猫最高。