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『スターリンの葬送狂騒曲』感想

スターリンの葬送狂騒曲(字幕版)

スターリンの葬送狂騒曲(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: Prime Video

スターリン死後の、魑魅魍魎なおっさんどもの滑稽な権力闘争を描くブラックコメディ。歴史や政治には疎いのでフルシチョフしか知らなかったし登場人物が多いのでついていけるか不安だったけど、「フルシチョフとベリヤの対決」というシンプルな構図だったので問題なかった。メインの二人だけでなくマレンコフやモロコフも強烈なキャラクターだったし、ジューコフ元帥に至っては中盤からの登場なのに衣装のずるさも相俟ってインパクト抜群だった。 人の顔と名前をなかなか覚えられない私にしてはすんなり把握出来たのがちょっと珍しいくらいに、各々のキャラクターは立っていた。全員清々しいレベルのクズだったけど、ベリヤとジューコフが特に輝いていたように思います。

スターリンが恐怖政治を敷いていたことが仇になって死んだ皮肉をコミカルに描いたり、多数決というシステムの嫌なところが重要な局面で顔を出したり、人々の命があまりにも簡単かつ大量に奪われていく居心地の悪さだったりと印象的なシーンはいくつもあったけど、エンドロールで写真の中の人の顔が塗り潰されていく演出が一番怖かった。なんだあれ。

ところでスターリン国葬に押しかける国民に驚いたんだけど、彼は恐怖の独裁者だったけど同時に多くの国民に愛されてもいた、という認識でいいんでしょーか。