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『シンデレラ』感想

シンデレラ (字幕版)

シンデレラ (字幕版)

  • 発売日: 2015/07/31
  • メディア: Prime Video

あんまり期待してなかったんだけど、思いの外楽しめた。奇を衒わないストレートな作りで、ミュージカルが苦手な人間にとってはミュージカルじゃないところも大きい。リリー・ジェームズリチャード・マッデンも、絵に描いたような完璧な童話のヒロインと凛々しく高潔な王子役にぴったりで絵本からそのまま飛び出て来たようだった。白馬ではなく黒馬に乗った王子、てのもいいんだよな。ケイト・ブランシェット演じる継母も「いかにも」という雰囲気なんだけど、彼女なりの背景があるのだと僅かながらも描かれているのが良かった。総じてキャスティングが成功した作品だったように思います。

映像もハイクオリティで、馬で駆け抜ける緑の野道、煌びやかな場内、かぼちゃが馬車に変わっていくワクワク感、ちょこまかと動く鼠やアヒル、ブルーのドレスを翻して踊るシンデレラ、美しいガラスの靴とどれもが世界を幻想的に彩っていて見惚れてしまう。エンディングで流れた「Strong」や「Bibbidi-Bobbidi-Boo」など音楽も良かった。

ストーリーを知っていても中弛みを感じることもなく、上映時間も短いしサクサク進むので一気に見れた。前半にシンデレラと王子が出会って一目惚れをするエピソードが入っているのも、後半へのフックとしては自然で良かったと思うな。

しかし作中では特に言及されなかったけど、シンデレラの父親はなかなかのクソ野郎なんだよな。無意識にシンデレラを縛っており、家を守れだの継母たちが不機嫌な時があっても仲良くしてくれだのと勝手なことを言って家を長く空けるという、あんまりにもあんまりな無責任ぶりが目に付く。さすがにシンデレラが可哀想だったから、ハッピーエンドで終わって何よりでした。

普段はこの手の作品をあまり見ないけど、たまにはディズニー・マジックに浸るのもいいものだなと。