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『キャッツ』感想

キャッツ (字幕版)

キャッツ (字幕版)

  • ジェームズ・コーデン
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舞踏会が開かれるまでのジェリクルキャッツを描くミュージカル。要するにジェリクルキャッツのPVみたいなもので、描かれるドラマは薄いけどその分パフォーマンスに力が入っており、そこから展開への説得力を生み出す作りになっていた。私はミュージカルがそもそも好きじゃないし『キャッツ』の世界観も刺さらないけど、歌やダンスは確かに極上で素晴らしかったんですよね。ヴィクトリアは可憐で美しくグリザベラの歌唱も圧巻で、スキンブルシャンクスのダンスも陽気で楽しいしミストフェリーズはキャラクターの立ち位置も含めて美味しい。それだけにカメラを寄せた画が多いのはもったいないなと思ったけど、そこは舞台を見てねってことなんだろな。でもバラードになると役者の顔をやたら映すのはさすがにちょーっと気になる。

ところでデュトロノミーはずっと舞踏会で猫を選んでいるらしいけど、彼女自身は選ばれることもないまま天上界にゆく猫をただただ見送り続けているんだろうか。だとしたら誰よりも孤独な存在なのかもしれないな、と考えてしまう。まあ天上界も実はろくなものじゃなさそうだなという根拠のない予感はするけども。あとラストの彼女の人間(観客)に向けた主張は蛇足かつ冗長だった。ここは気持ち良く終わらせて欲しかったな。