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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』感想

バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)

バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

子供の頃に見て一番好きだった映画なんだけど、今見ても理屈抜きで楽しい。小さい頃は夢中で見ていたけど、綿密なシナリオ構成、魅力的でちゃんと立ってるキャラクター、効果的に使われる音楽、随所に散りばめられた細かい遊びなど、とにかく職人芸の塊みたいな映画だったことに気づいて新たな感動を得られたし、何より私が伏線回収劇から得られるカタルシスの虜になったのはこれがきっかけだったのだと、今更になってようやく思い至れたのが大きかった。子供の頃の思い出補正はもちろんあるけど、やっぱり私にとって一番好きな映画はこのシリーズなのかもしれない。

特にマーティとドクの年齢差を感じさせず、そして時を越えて更に深度を増す友情が好きなんですよね。30年前のドクにとってマーティは見知らぬ他人でしかないのに、タイムマシンのことがあるとは言え手助けしてくれたりアドバイスしてくれたりでいい人なんだよなめちゃくちゃ。特に終盤の時計台のトラブルからのシークエンスが本当に面白くて、お約束のようなトラブルが次から次へと発生するんだけど、ドクはマーティを未来に帰すために奮闘するし、マーティもドクを信じてデロリアンに乗り込み、未来には殺されるドクを思って焦る。そうして無事にマーティは元の時代に帰り、しかしドクが撃たれる瞬間には間に合わず落胆する、と見せかけてドクは生きており、手紙をちゃんと読んでいたことが明かされるのが二人の友情物語の着地としても救われるし茶目っ気もあって、それなのになんだか泣ける。

両親やビフも中盤の大きな問題としてマーティの前に立ち塞がってくるのもあって個性的だけど、特にママの惚れっぽさには笑った。パパのビフォーアフターにも驚くんだけど、すっかりマクフライ家の召使いと化したビフは、今見ると溜飲を下げるというよりは可哀想に思えたのは予想外。あと恋愛といえば、マーティとジェニファーがしょっちゅうキスを邪魔されるのが面白かった。最後の最後まで邪魔されてしまうけど、空を飛ぶデロリアンで締める最後の引きは高揚感も凄まじく、やっぱりずるくて最高なんだよな。