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『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 2』感想

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (字幕版)

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

色んなギミックで表現される未来の世界観が最高すぎた。こんなの楽しいに決まっている。ホバー・ボードや自動的にサイズを合わせたり装着したりする衣服も面白いけど、やっぱりシンプルに空飛ぶデロリアンが一番心踊った。更に今回は「歴史を変えることの恐ろしさと罪深さ」を描くために前作よりタイムトラベル要素が増えており、時代を行き来するから複雑になっているのに無駄がなく、ストーリーの見通しが良くて分かりやすい。ジェットコースターのように目まぐるしい展開の連続だけど、振り落とされないようにしてくれているバランスが好き。前作の話からの膨らませ方も好みで、大きな矛盾もなく前作の要素も上手く拾って伏線に変えてしまう手際が良すぎる。そのまま次へと繋げるシナリオ構成が見ていて本当に気持ち良かった。

2015年の未来のパートは、まず未来に行ったはずのドクが戻ってきた理由が未来のマクフライ一家を助けるため、てのが友達思いの彼らしい。しかし息子の悪事加担を未然に防ぐ作戦が雑なのは笑った。このシリーズの、毎回どこか緩いというか雑な感じがとても好き。それとタネン家との力関係が父親も息子もまったく一緒なのが本当にもう。マクフライ家の呪いなのか何なのか。「腰抜け(チキン)」と呼ばれてキレる癖は後付けっぽいけど、マーティのキャラクターをより印象付けるには抜群だった。

その後は暴君ビフのせいでヒル・バレーがゴッサム・シティと化した1985年の現代に戻り、現代を正常に戻すために再び過去へと飛ぶことになるんだけど、ここで瞬時に時空の成り立ちと影響の説明をするドクがすごい。スポーツ年鑑を取り返す時も、老人ビフが若ビフに渡すのを邪魔してはいけないと言っていたのが印象的で、彼の頭の回転が早さがよく分かる。

1955年の過去パートでも、前作の舞台裏を見せてくれるのが最高。ダンスパーティでもう一人の自分と会わないように立ち回るマーティが面白いし、二人のドクのニアミスも楽しい。マーティにもう一人の自分と鉢合わせるなと注意している最中の「後ろ後ろ!」はじわじわ来るんだよな。

そしてラストは衝撃の展開で、今度はドクからの手紙が来るのが熱い。手紙を受け取るまでの過程がまたいいんですよね。過去に突然取り残されてしまったという絶望の直後(これが本当に直後なのがまた笑える)だからドクからの手紙の存在が本当に大きい。ここで電報局の人が「助けを呼ぼうか?」と聞いてすぐに「助けは彼しかいない」と返すマーティも最高。未来に帰したばかりのマーティがまた現れて過去のドクが卒倒するシーンも同情はするんだけど、それ以上にやっぱり笑ってしまった。マーティもだけど、ドクは本当に魅力的なキャラクターだと思う。

小さい頃はタイムトラベルに注目して見ていた記憶があるけど、今は二人の友情に注目しているのが我ながら面白くて、そういう意味でも今『BTTF』を見返すことの大きさを実感する。やっぱり私にとって特別な映画なんだなと。あと改めて見返すと『アベンジャーズ / エンドゲーム』が記憶していた以上に『BTTF2』そのまんまで笑った。