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『ボーン・アルティメイタム』感想

記憶を失った暗殺者ボーンが過去の呪縛を解いていくサスペンス・アクション。ボーンが動く理由は過去二作に比べると弱いけどトリロジー最終作としては上手くまとまっており、広げた風呂敷もきちんと畳んでいたのはすごい。基本的に風呂敷ってのは広げるほうが簡単だろうし、上手く畳めていない作品も多い印象なので尚更。パメラやニッキーといった女性陣の活躍も美味しい。ただ、機転を利かせて突破していくボーンは相変わらずストイックで格好良いしすごいのだけど、ここまで来るとちょっとマンネリ感が……まあ連続で見てるのもあるけども。あと体調の悪い時に見たので、前作以上にやり過ぎなカメラワークには辟易した。このシリーズは二作目から一気に面白くなったのは確かだけど、ずっとこんな撮り方をしているのなら今後この監督の作品は避けていくかもしれない。

今回の一番好きなシーンは序盤。ウォータールー駅でロス記者に電話で指示しながら追っ手を撒いていくのが楽しい。中盤のタンジールでのデッシュとの追いかけっこも見どころの一つなのだろうけど、こちらは冗長な上にカット割りもすさまじく、見ていてかなりしんどかった。

ラストシーンは良かった。『ボーン・アイデンティティー』で海に投げ出されたボーンから始まり、『ボーン・アルティメイタム』で川に落下したボーンで終わるのが最高。あと『ボーン・スプレマシー』のラストシーンを今回の中盤に持ってくるのも大胆で面白い試みだったなと。