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『ボーン・アイデンティティー』感想

異様な身体能力を持ちながら記憶を失った男が、自らの正体を探っていくサスペンス・アクション。何故か身についている各種スキルに自分で驚きつつ、それを駆使してピンチを切り抜けていくボーンが見ていて楽しい。アクションは派手ではないんだけど、マット・デイモンの動きのシルエットは好みなんだよな。尻に埋められていた(なぜ)唯一の手がかりから過去を辿っていくのも普通に面白かったけど、それにしてもスパイって自分の所属していた組織から殺されかけたり裏切られたりが多いよーな……いや私の見る作品が偏ってるだけなんか?

好きなシーンは赤いポンコツカーでのカーチェイスと教授戦で、特に教授戦はウォンボシを殺そうとした男と殺した男の殺し合いだし、応戦するのにボーンがショットガンを使うところが好き。最後のコンクリンとの対決の後に次々と襲い来る刺客を倒し、螺旋階段を使わず死体をクッションにして落ちるところも面白かったな。しかしコンクリンが何故そこまで執拗にボーン殺害に拘るのかは分からなかった。CIAが大金を注ぎ込んでボーンや教授のような人間兵器を作り上げていることを隠したかったのだとしても、ボーン一人に固執しすぎているし上司に重要な報告をしていなかったというのもピンと来ない。最初から振る舞いに謎があるのにいつも必死なキャラクターだったから、CIAのパートは今ひとつ乗り切れず奇妙な温度差を感じたまま眺めることになってしまった。最後に殺されてしまうところは、「組織」というシステムの無情さが出ていて良かったとは思うけども。

マリーは正直必要な存在とは思えなかったけど、とりあえずヒロイン役を入れときたかったのだなとは察した。ミコノス島でボーンと再会してハッピーエンドになってたけど、ボーンはまたCIAに狙われる気しかしないのがなんとも……。