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『バクマン。』感想

バクマン。

バクマン。

  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: Prime Video

"友情、努力、勝利" を取り入れた単純明快なストーリーと斬新な演出は楽しかった。ただ、佐藤健神木隆之介をキャスティングしたのはGJだと思うけど、この二人の主人公から魅力を見出せなかったんですよね。役割が明確なだけで、この二人ならでは、と言えるような強力な要素が見当たらない。原作を知らないのでそっちは分からないけど、映画版は個性的な周りのキャラクターのほうに意識が行きがちだったな。

特に服部がお気に入りで、最初は淡々と静かに仕事をこなす大人という感じなんだけど漫画家に味方しようとする熱さも持っているところが好き。あとエイジが面白いキャラクターで、サイコーが倒れた時にサイコーの原稿に手を入れて発破をかけるシーンがいい。亜豆も出番は少ないけど、小松菜奈の非現実感が凄まじくて印象に残る。恋愛要素もほぼないけど、サイコーとシュージンがアンケート一位を目指すというシンプルな物語を描くのに、サイコーと亜豆の恋愛要素は必要ないのでこれで良かったのだと思う。アシスタントやサイコーの家族が登場しないのも不自然だけど、敢えてカットしてるんじゃねこれ。

あちこちに散りばめられた『ジャンプ』ネタにはニヤニヤできた。山王戦を思わせるエイジとの勝負の結果や二人がようやくハイタッチするシーンは、『スラムダンク』が好きだった人間には美味しい。エンドロールの演出はもう感動するレベル。『ジャンプ』という偉大な雑誌へのリスペクトを感じられて、かつて愛読していた私も懐かしくなった。そうした気持ちを抱かせてくれたまま終わるのが粋だなと。