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『恋愛小説家』感想

恋愛小説家 (字幕版)

恋愛小説家 (字幕版)

  • 発売日: 2010/10/01
  • メディア: Prime Video

バーデル(犬)が可愛すぎた。出番も結構あるし演技にも文句のつけようが無く、どうやって撮影したのか気になるほど。他にもジャック・ニコルソンヘレン・ハントグレッグ・キニアと犬だけでなく役者の演技が素晴らしい映画でした。

ストーリーは偏屈なおっさんがウェイトレスとの恋やゲイ画家との交流を経て変わっていく話で、ちょっと地味なんだけどメルビンの独特なキャラクターもあって退屈はしなかった。恋にまごつくおっさんが可愛すぎる。預かっていたバーデルをサイモンに返した後の落ち込み様なんて、ちょっとあざといレベルなのが面白い。売れっ子恋愛小説家なのに、本人は口下手で余計な一言が多いところも可愛いんだよな。「愛してる」と素直に言えたらすれ違いも減るのに、メルビンにはそれが難しい。それでも彼が時間をかけてキャロルに伝えようとする言葉には、小説家だからかロマンティックなものもある。口下手なのに必死に紡ぎ出した台詞は洒落てるんだよね。特に「いい人間になりたくなった」という言葉はメルビンが言うからこそ響く。誰かのためにいい人間になろうとする気持ちは、忘れかけていた本質を突いているように思えて私もちょっと感動してしまった。ラストの朝四時のパン屋までの散歩も可愛い。

サイモンとの関係もいいんだけど、特に部屋を貸す時のやり取りが微笑ましかった。しかし序盤は数分程度の出番だろうと思っていたから、サイモンがあそこまで重要なキャラクターになるとは思わなかった。いいキャラしてたな彼も。

ところでみんなメルビンがいい人であることを見抜けなかったと言うけど、そういう誤解を与えるような振る舞いしか出来なかったメルビンがそもそも悪いのだということを忘れてはならない。キャロルやサイモンとの付き合いを経て変わっていけたのは、本当に幸運だったよなと思うのです。