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『アラジン』感想

アラジン (字幕版)

アラジン (字幕版)

  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: Prime Video

ミュージカルは好きではないんだけど、本作を見たらディズニー特有のわくわくするような浮遊感と歌の相性の良さがよく分かる。ディズニーランドのパレードなどを見ても、ディズニーとミュージカルは切り離せないものなんだろうな。アクションもアクロバティックで楽しかったけど、特に序盤の雑多な街をアラジンとアブーが逃げ回るシーンが好き。

印象的だったのはジーニーで、とにかく彼が出てくるだけで面白くなるのが強い。アラジンとのテンポのいい会話や、画面中を所狭しと動き回るダンスから願いを叶える時のコミカルな振る舞いに至るまで、彼の言動の数々に夢中になった。この映画はアラジンとジャスミンのロマンスでもあるけど、それ以上にジーニーとの友情にやられてしまった。願いの叶え方が毎回雑なのも笑う。

ジャスミンも美しく、歌に関しても終盤の訴えるような力強い「Speechless」に圧倒された。ジャスミンがアラジンと結婚してアラジンが国王になるのではなく、ジャスミンが国王になる終わり方も今の時代には合っていていいと思う。ただ、序盤に腹を空かせた子供たちを見兼ねてジャスミンが勝手に店のパンをあげるシーンは、その後の店主へのフォローがなかったのが気に入らない。パンの代金を払わないジャスミンに店主が詰め寄っているところをアラジンが助けてしまうのもちょっとな。「ヒロインのピンチを颯爽と救うヒーロー」という形で描かれているから、悪人にされてしまった店主が気の毒でならなかった。王女は貧しい子供たちにパンをあげたから代金を払わなくても問題ない、とするのはさすがに抵抗がありますよ。

一方、アラジンとジャファーはちょっと影が薄い。ジャファーはともかくアラジンはダンスはキレッキレだったしアクションでも見せ場はあるから頑張ってはいるんだけど、ジーニーの存在感が強すぎるのがいかんよジーニーが。もっというとウィル・スミスが最強すぎる。ジーニーと侍女の要素を削って、アラジンとジャファーにもうちょいスポットを当てても良かった気はする。

というわけで私にとって『アラジン』はジーニーを堪能する映画だった。要するにウィル・スミス最強。「A Whole New World」もオリジナル版のほうが好みだけど、名曲には違いない。