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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』感想

アベンジャーズに恨みを抱いて内部崩壊を企む者に全員が踊らされてしまう話なんだけど、仲間同士でギスギスしていく展開は大好物なので「ククク……争え……争え……」という目で見てしまった。原因にされてしまったバッキーは重要人物ではあるけど舞台装置と化しており、主にキャプテンとトニーの対立の物語になっているのだけど、この二人はラストの衝撃の暴露に至るまでの苦いカタルシスも含めて最高に美味しい。

ただ、アベンジャーズが分裂する必要はないんよね厳密に言うと。キャプテンとトニーのすれ違いでしかないはずなのに、ソコヴィア協定が絡んだのもあって大事になりすぎているというか。アントマンスパイダーマンの加入にもあんまり意味がないし、空港での戦いもそこまで必要だとも思えずちょっと冗長に感じてしまった。ラストのキャプテンとアイアンマンの戦いは悲痛でよかったんだけども。

今回はアベンジャーズに家族を殺された形になったジモ、ジモの狙いに巻き込まれて父王を失ったティ・チャラ、キャプテンたちとの戦いで親友が重傷を負い、両親がバッキーに殺されており、キャプテンも真相を知った上で伏せていたことを知ったトニーと、連鎖する憎悪の物語でもあったなと。だからこそティ・チャラが生きて償うことをジモに求めたのが光るんだけど、彼が如何にして復讐の刃を引っ込めたのかはもうちょい知りたかった。──と粗も多いのだけど、それでも好みが詰まっていたこともあってMCUでは一番好きな作品かもしれない。

ところで邦題はここに来て何故サブタイトルを先に持ってきたのか、そんなところが気になってしゃーない。というか統一感が失われたのが気持ち悪くて落ち着かんしやめて欲しいなこれ。素直に『キャプテン・アメリカ / シビル・ウォー』で良かったのでは。まあ『アベンジャーズ / シビル・ウォー』が一番しっくり来るけども。