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『ドクター・ストレンジ』感想

ドクター・ストレンジ (字幕版)

ドクター・ストレンジ (字幕版)

  • ベネディクト カンバーバッチ
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魔術の世界を表現する映像が凄まじい。序盤の『インセプション』ばりの演出から驚かされたし、後半のミラー次元でもカエシリウスから逃げる時の捻れた摩天楼の光景が圧巻。ここで派手な映像を見せてくれたから、最後の香港での戦いはやってることはすごいことのはずなのに大人しい印象を受けて拍子抜けしてしまったけども。ストレンジの取り引きループは地味に鬱陶しいのでドルマムゥが根気負けするのはよく理解できたけど、取り引きに応じた後は素直に撤退するのも笑った。真面目か?

ストーリーは結構大味で、盛り上がれそうで盛り上がれなかったもどかしさがある。それとカンバーバッチのストレンジ役はぴったりだと思うけど、「偏屈で傲慢な天才外科医」というせっかくの設定を上手く活かしきることがないまま終わったように思う。雰囲気はパーフェクトだしこの役者ならストレンジを魅力的に演じられるだろうに、脚本が作品世界の説明に追われてキャラクターを描くことにまで手が回っていないというか。カエシリウスもちょっと影が薄かったものな。一方、エンシェント・ワンは独特の存在感があって良かった。後半のカエシリウスとの魔術合戦も惚れる。彼女は魅力的なキャラクターだったから、今後は出番が無さそうなのが寂しい。