ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『アダムス・ファミリー』感想

見る前は毒のある映画に見えたけど案外そうでもなく、刺さりはしなかった。型破りな要素はあるけど振り切れてはおらず、わりと真っ当なんだよなアダムス家(隣家への振る舞いはどうかと思うけど)。捻くれてそうなのに捻くれてない。私はもーちょい毒気のあるものを求めていたし、ストーリーもこちらのテンションを強引に引き上げてくるような盛り上がりがなく、フェスターの成りすまし騒動もあっさり解決してしまう。けどキャラクターを眺めているだけでも楽しかったので、まあ。

特にゴードンが可愛かった。ウェンズデーやパグズリーと仲良くなっていく様は微笑ましかったし、ゴメズとのマムーシュカも良かった。そのゴメズもゴードンを信じるべきか悩むあまり、ミニチュアの汽車を走らせるという奇行に走るシーンは好き。ウェンズデーはかなり美味しいキャラクター造形だし、ハンドも『アイアンマン』のジャーヴィスや『バットマン』のアルフレッドに続く有能執事リストに入れておきたい逸材だった。要するに、緩いストーリーと緩いキャラクターを緩く楽しむ映画なんだなこれ。