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『天気の子』感想

天気の子

天気の子

  • 醍醐虎汰朗
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良かったところもあるけど、結局私にとって好きな作品にはならなかった。ストーリーにメリハリがないのが最大の要因だと思うけど、なんか乗り切れないんですよね。銃が出てくるシーンも違和感しかなくて、あれは必要なアイテムだったのかなと首を傾げてしまう。後半の挿入歌ラッシュもくどくて冷めてしまった。一方、キャラクターが深掘りされてないことはあまり気にならなくて、これは私が主役の二人に興味を持てないから気にならなかったのか、掘り下げが浅いから二人に興味を持てなかったのか、もはや分からん。

良かったのは須賀役の小栗旬で、声優をやらせてもこんなに上手い人なのかと驚いた。夏美役の本田翼もぴったりだった。あと新海誠といえば「エモーショナルな映像美」だと思うけど、今回は新宿や池袋などの実景の描き込みが素晴らしかった(「バーニラバニラ」が流れるのは笑った)。浸水した街の中で半地下にある須賀の事務所の窓が『パラサイト』でも見たような光景になるところもちょっと面白い。私はいわゆる「浸水都市」が大好きなので、終盤の光景にはそそられました。逆にクライマックス周辺の映像や展開には既視感もあり、然程魅力を感じなかった。

結末は面白いなと思った。世界を変え、人々の生活の有り様すらも変えてしまった罪をずっと背負っていくのだろうし、いわば帆高と陽菜は共犯関係でもあるんですよね。が、そういうのは大好物なのにそれほど刺さらなかったのは、やはり二人にあまり興味を持てなかったからかもしれない。須賀や夏美、凪先輩は面白いキャラクターだと思ったけど、やはり主役への関心が持てないままだと山場で盛り上がれないようです。