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『レスラー』感想

レスラー界のスーパースターがピークを過ぎてボロボロになりながら、それでも戦うことをやめられない姿が痛々しく切なかった。ランディの現状は己の身勝手が招いた結果でもあるんだけど、不器用な彼を嫌いになれないのはミッキー・ロークが演じていたからだろうと思います。寂寥感のある大きな背中がぐっと来るんですよね。最後の戦いでラム・ジャムを決める前にちらっと入場口を見て、キャシディがいないことに気づいた時の表情にも泣けた。スーパーの惣菜屋を担当する一連のシーンも良かった。キャシディを演じたマリサ・トメイも魅力的だったし、キャスティングが大当たりな映画でもありました。

あと普段プロレスをまったく見ないので知らなかったけど、試合の方向性や演出などを対戦相手やスタッフと打ち合わせするのが面白かったな。試合後も互いを労ったり讃えあったりしているのが微笑ましい。みんな優しいよね。でも演出とはいえ、ステープルを打ち込んだり有刺鉄線が刺さったりする流血マッチは見ていてしんどかった。ちょっと見るのをやめようかと思ったもんな正直。でも最後まで見て良かった。