何度も長い回想が入ったり視点が刑事に変わったりして散漫な印象があり、中盤まではなかなか乗れなかったけど、タップ刑事が犯人を追い詰めようとして相棒を失うあたりからギアがかかってくれた。薄汚いバスルームでの二人の視点だけだと動きが少なくなるのでこの構成が正解だったのかもしれない……けど、前半が間延びしていたのは事実なのでそこだけが惜しいなと。とはいえラストの黒幕が判明する流れには驚かされたし、緻密に張られた伏線をここで一気に目まぐるしく見せられる演出も熱い。黒幕の意図というか信念は今ひとつピンと来ないけど、黒幕判明の衝撃の大きさ故かストーリーを楽しむには問題なかった。
しかしアダムは気の毒な……。失血死に至るまでの絶望を味わうくらいなら、ゴードン先生に射殺されていた方が楽だったのかもしれない。
