ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』感想

ストレートに笑えて燃えて泣けるいい映画でした。やはり列車アクションのある映画は最高。しかしほんっとぉーにアニメシリーズの続きなのねこれ。しかも前回までのあらすじもろくに描かれないもんな。でも見終わってみると、確かに映画映えする作品ではあったなと思います。猗窩座の登場が唐突なのもあって列車が止まってからは蛇足かなと最初は思ったけど(というか猗窩座は結局何しに来たん? ただの煉獄さんファン?)、煉獄さんが格好良かったし泣けたので良し。

しかし面白かったのは、前半の魘夢戦だと思う。列車の窓の光景にはしゃいだり列車と並走して速さを競おうとする伊之助が可愛かったし、『インセプション』みたいな展開に入ってからは炭治郎が幸せな夢を断ち切るところは泣けたし、真っ暗な無意識領域に入り込んだ刺客の男性にキレる善逸には笑った。あと煉獄さん一家がお母様以外は顔がそっくりでびっくりしたんよね。父と煉獄さんと弟の違いは髪型くらいしかないやんけ。

炭治郎が魘夢と対峙するところもいい。特に炭治郎の「言うはずがないだろう! そんなことを、俺の家族が!」という台詞が気持ちいいくらいに決まってた。幸せな夢から脱出するために自分の首を切り捨てるのも、悪夢の中の家族の言動を即否定できるのも、炭治郎らしくてすんげえ説得力がある。躊躇のない自決を逆手に取った後半の罠も恐ろしくていい。炭治郎を起こそうとする禰󠄀豆子も可愛かったし、禰󠄀豆子のピンチを救う善逸も格好良かった。ここで善逸の放った雷が車両を一気に駆け抜ける画は、文字通り痺れる。炭治郎と伊之助の連携で魘夢の首を断つシーンも映像が格好良い。

しかし久しぶりに見ると、やはり説明過多なところは気になる。ufotableによる映像がいいだけに尚更ノイズになってしまうというか。終盤の絶叫の連続も熱いけど、一方でちょっとくどいかなとも。……と、不満もちょいちょいあるけど母を前にした少年の顔で死んでいった煉獄さんと煉獄さんの死を前に号泣する三人(特に伊之助)がよかったので、見終わった後の「いい映画を見た」という満足感は得られました。