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『ミセス・ノイズィ』感想

いわゆる「騒音おばさん」を扱った映画なんだけど、早朝から布団をバシバシ叩く美和子よりも身勝手な真紀のほうに序盤からげんなりさせられたのは意外でした。とはいえ主要人物それぞれに悪いところがあったので、真紀一人を責めることはできないけども。真紀は悪い点が目についたけど、真紀が何故あそこまで周りの見えない人間になったのかと考えたら、娘が出来てたいへんなのに夫の裕一が他人事で妻を支えようという気も感じられず思いやりがないからで、だから真紀は美和子と会う前から余裕がなかったしスランプにもなっていた。他人のトラブルを消費するネットやマスコミの悪質な面を象徴するような従兄弟の直哉も、あの軽薄さがいい具合に見ていてイライラさせられるのがもう。彼が入れ込んでるキャバ嬢にスッパリ斬られるところの痛快さも含め、監督の思うツボなんだろなこれ。

一方、美和子のほうもあの突飛な行動の裏に心を病んでいる茂夫がいたという事情は理解したけど、だからといって早朝から布団をバンバン叩いていいということにはならないし迷惑には変わりない。真紀はあの団地から去ったけど、新しく引っ越してきた隣人とまたトラブルになりかねないし根本的な解決には至ってないような。決着もちょっとぬるいというか綺麗すぎて拍子抜けしたので、そこは惜しい。

ところで菜子役の新津ちせちゃんが新海誠の娘さんだと知ってかなり驚いた。