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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『THE GUILTY / ギルティ』感想

緊急通報指令室のオペレーターが音を手がかりに事件解決を目指す、というシチュエーションは好きなんだけど、これは期待を越えてこなかった。アスガーの声と表情と間だけで一時間半ももたせてしまうのは凄いし、緊張感もあって基本的には面白い作品だと思うけど、アスガーの独断行動に違和感があって乗れそうでどこか乗り切れない。元は現場で動く刑事だったから電話でしか対応できない状況がもどかしかったのかもしれないけど、まだ確かな証拠はないのにミケルを犯人と断定するところが正義の暴走にしても唐突に感じられて、私の気持ちが少し映画から離れてしまった。周囲に情報を共有しようともせず、そのくせ説明もなく人を動かそうとするような短気で傲慢で勤務態度の悪い主人公が変わっていく話ではあるけど、道中の言動が最後まで引っかかってしまう。

観客として常にアスガーと共に電話の向こう側を想像させられてきたけど、ラストではアスガーのかけた電話の相手を今度は観客だけに想像させて終わるところは好き。私の予想では冒頭の電話の記者かな、と考えてるけども。