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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『下妻物語』感想

ストーリー自体はそんなに面白いわけではないんだけど、ロココ時代のおフランスに憧れる個人主義を貫く桃子と、人情に厚く可愛いイチゴを見ているだけで楽しかった。ちぐはぐな二人の奇妙な友情物語を描くのに、深田恭子土屋アンナという配役が完璧。周囲のキャラクターも、みんな浅い描かれ方をしているのにちゃんと濃いのがいい。序盤の青い空と鮮やかな緑が眩しい田園を背景に我が道をゆくのだとばかりにてくてく歩く桃子のシーンからも分かるように、全体的にオレンジのかかったあざとい映像も好き。クライマックスの盛り上がりもガツンと来たりはしないけど、ちょっとダチのために一生懸命になれる二人の姿に胸を打たれるし、ラストの二人の晴れ晴れとした表情には「いい映画を見た」という満足感も得られる。好きな映画だろうなという予感は見る前からあったけど、やっぱり好きな映画でした。