林業のことはさっぱり分からない私でも気楽に見れたし、ちゃらんぽらんな少年の成長物語としてもお仕事映画としても満足できる良作。ドラマとコメディのバランスがちょうど良かったし、田舎の美しい風景や山との付き合い方を真摯に描きながら、一方で田舎での暮らしにくい面も描いているところもフェアで好印象だった。豪快なクライマックスも楽しい。祭りがもろにセックスを意味するイベントになっていたのは笑ったけど、まあ実際にありそうな感じはする。
あと役者が良かったな。特に野生児ヨキを演じた伊藤英明は、今まで見た中で一番はまってたんじゃなかろか。序盤の見事な手鼻に度肝を抜かれ、走るトラックを追いながら荷台に飛び乗るシーンで呆気に取られた。美味しすぎる。枕を蹴って寝坊する勇気を起こす一連のシーンも面白い。女好きだし偉そうなんだけど、何故か嫌いになれない先輩役を絶妙に演じていたと思います。主役の染谷翔太も口をぽかんと開けた表情がアホで可愛いんだけど、目を輝かせてヨキの仕事に見入ったりしてだんだん真剣になっていくのがいいよね。
しかし人ではなく木を切る道具として使われるチェンソーを映画では初めて見たような気が……。
