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『ザ・スーサイド・スクワッド / "極" 悪党、集結』感想

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(字幕版)

ジェームズ・ガンというと『GotG』が何故あんなに評判が良いのか私にはまったく分からないので、今回はあんまり期待せずに見たけど思ったよりは楽しめた。音楽も良かったし気合いの入ったゴア描写も見応えがあるし、後半の「これがやりたかったんかい」と思わず突っ込みたくなるような展開も好き。一方、ギャグは寒いわけではないけどあんまり刺さらなかった。キャラクターの描写もちょっと物足りないし、メンバーが背景を語り出すところなんかはテンポがあからさまに悪くなる。基本的にはとても面白い映画なんだけど、散漫な印象も拭えず……。

好きなキャラクターは何人かいる。何人か死んだけども。主役といえるのはブラッドスポートだと思うけど、イドリス・エルバが好きなので悪党として暴れてくれる姿を期待してたのにわりと真っ当なキャラクターなんですよね。それが良くないとは言わないけど、周囲が濃いのと立ち位置がフラッグ大佐と若干被っているのもあり、ちょっと大人しい印象で満足できたとは言いがたい。終盤、小国の市民を助けることを選択するシーンも私の中では思ったより跳ねてくれなかった。いい場面だとは思うんだけど、震えるようなカタルシスが何故か得られなかったという……。スターロ大王が暴れ出して怪獣映画になった時はテンションが上がったんだけども。ただ、滑らかに変形する武器にはワクワクした。あと序盤にピースメイカーと殺しの腕を争うところは、殺し方のバリエーションが豊富なのもあって楽しい。

私のお気に入りは『スースク』から続投しているフラッグ大佐なんだけど、彼が殺されてしまったのは残念でした。ただピースメイカーにとっても大佐を殺してしまったことは本意ではなさそうだったので、ここでピースメイカーも気になってきた(まさに彼主演のドラマがあるらしいが)。あと続投組といえば『スースク』で強烈な印象を残したウォラーが相変わらずで笑った。あの人は嫌いにはなれないんよねなんか。ハーレイはこれまでのどの作品でも「マゴロビは最高なのにキャラクターの描かれ方が微妙」という不完全燃焼に終わってたけど、今回もそこそこ暴れてくれてはいるのに満足に至らなかった。なんかジェームズ・ガンもハーレイを持て余してるような気が。

新登場だとナナウエはあざといけど、あざといキャラクターは好きなので微笑ましく眺めてました。スタローンの声も合ってた。彼が最後まで生存してくれたのは嬉しい。もう一人気に入っているのはポルカドットマンなんだけど、クラブハウスでママの群れの幻覚の中で踊るシーンが哀しくて好き。ただ、トラウマを解消した瞬間に殺されたような描写だったけど、解消というにはちょっと雑に感じたのが惜しいな。

結局ジェームズ・ガンは私にとって合わない監督なのかそうでないのか、いまだによく分からんままです。