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『おくりびと』感想

映画「おくりびと」【TBSオンデマンド】

シリアスな映画かと思ったらそこまで重い内容でもなく、むしろユーモアもあるし意外にも気楽に見れる作品だった。納棺師という題材を扱っているのもいいし、何より元チェリストで納棺師になる大悟を演じるのに、本木雅弘はこれ以上はないくらいにぴったりだと思った。所作も丁寧で美しい。死者への敬意を示すかのような振る舞いに思わず見入ってしまう。あと佐々木役の山崎努が素晴らしくて、ちょっとした表情や仕草からもぐっと来るんよね。「美味いんだな、困ったことに」という台詞が特に良かった。独特の部屋でフグの白子炙りを二人で食べるところやクリスマスにみんなでフライドチキンにかぶりつくところなど、食事のシーンが印象的な映画でもありました。久石譲の音楽も完璧。チェロの音色が心地良い。

ただ、広末涼子は好きなんだけど、演技はちょーっと苦手かもしれない。少なくとも『おくりびと』での美香役はわざとらしくて浮いてるよーな……。あと私は葬儀屋を忌まわしいと思ったことがないので、美香が納棺師の仕事を嫌がるところは不自然に見えてしまった。

ところで序盤、まだ生きているタコを大悟が川に放すとプカプカ浮かぶシーンはシュールすぎる。あそこは笑うところだったんだろうか。というか何で川に放すねん。