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『ターミネーター3』感想

ターミネーター3 (字幕版)

過去作の焼き直し感はあるし(ジョンとケイトの関係も一作目のサラとカイルに近い)、T-Xが胸を大きくしたりT-850がストリップバーに入ったり星型サングラスをかけたりなどのギャグ要素は滑ってるし、二体のターミネーターのキャラクターも定まってない印象を受けるしで気になる箇所もあるけど、大型クレーン車の存在感が凄まじい迫力満点の前半のカーチェイスは文句なしに面白かったし、ジョンの描き方など好きなところもあるのでまあまあ楽しめた。

回避できたかどうか確信が持てない「審判の日」へのプレッシャーと闘いながらずっと備えてきたジョンが、当初の予定日にそれが来なかったために無気力になってしまうのは分かる気がする。そもそも人類のためとはいえ、母親に未来の救世主として生きるように言われるのはかなり辛いだろうなと今更ながら。サラも息子に酷な生き方を強いている自覚はあったのだろうけど、本当に人類の危機が迫っているのであれば他の選択肢を探す余裕はなかったのかもしれない。そして終末にならないとジョンはアイデンティティを取り戻せない、というところに重い使命を課せられた者の皮肉と悲哀を感じる。実際、人類が追い詰められていくほどにジョンは輝きを増していく。ジョン役のニック・スタールはイメージとは違ったけど好演していたし、段々ジョンらしくなっていくのが良かった。

T-850はキャラクターに魅力をあまり感じなかったけど、ジョンとのやり取りが面白くないのが響いているんだろうな。でもそれ以上につまらないのがT-Xで、スペック的にも標的の顔を見てもすぐに分からないあたりがしょぼい。そのくせ血を舐めたら誰のものかが分かるところもダサい。しかしスカイネットもしつこいな。マシンだから諦めるという選択肢がないとか、そういう設定でもあるんだろうか。