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『ブレット・トレイン』感想

ギラギラした文字の演出、落ち着きのない時系列弄り、雑な交通整理ゆえに全体的にガチャガチャした群像劇という印象もあるし、伏線回収もあまりスマートではないのだけど、新幹線という乗り物は元より大好きだし、狭い車内で暴れ回るアクションや日本刀、因果応報を強調するストーリーなど好きな要素もいっぱいあって楽しかった。ブラピを始めとした役者が個性の強いそれぞれのキャラクターを生き生きと演じているのもいいよね。トンチキ日本描写もそこまででもないし(もっと振り切ってやってくれても構わなかった)、豪華なカメオ出演にもニヤニヤした。私はめちゃくちゃ好きだなこの映画。

とはいっても序盤は厳しかった。タンジェリンとレモンの会話は面白くない上にくどいし、キャラクターが多く情報量も凄まじいので、相関図を把握するのに手間取ってしまう。『きかんしゃトーマス』も全然知らないから尚更。まあ知らなくてもなんとなくで分かってくるので、結果としてはあんまり問題なかったけども。

エンジンがかかってくると一気に見れる。まずキャラクターがいい。レディバグは雑なところもあるけど基本的にはいい人で、ブラピがチャーミングに演じているのもあって好感度は高い。トイレで四苦八苦してるブラピとか乗員や乗客の目を気にしながら殺し合うブラピとか最高。ホーネットとの戦いで、ホーネットが打とうとした血清を横取りするように自分にブスッと刺すところが好き。タンジェリンとレモンのコンビも最初こそ乗れなかったものの、だんだんと二人が魅力的に見えてくるんよね。そして映画が終着駅に近づくにつれて疾走感は増し、運命を支配された列車が暴走する様はハリウッドらしいド派手なアクションが楽しい。終盤になって乗車してくるエルダーも、真田広之の渋い佇まいもあって痺れる。

エンドロールのどどんと表示される日本語も見ていて楽しかったし、たいへん満足度の高い映画体験でした。