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『KUBO / クボ 二本の弦の秘密』感想

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(字幕版)

ストップモーションアニメの制作過程の一部がエンドロールで見られるけど、とにかく尋常じゃない作業量の末に出来上がったものだということは伺えます。なのにキャラクターの表情は豊かだしアクションなど動きも自然かつアクロバティックで、制作に携わっている人々の情熱を感じる。クボを中心に、サルやクワガタやハンゾウといったキャラクターも可愛いし、ステージボスが用意されているところは『ゼルダ』そのものでニヤニヤできる。空に舞う折り紙も美しい。中世日本を舞台にしているところにも驚いたけど、どうも『竹取物語』をベースにしているっぽい。

ストーリー自体は単純明快で、月の帝から目を狙われているクボが敵に対抗するために三つの武具を探しに出る、という王道物語なんだけど、ここは乗れなかったなあんまり。武具がクボに必要だったとは思えないところにも物足りなさが残る。ただ、永遠を求める月の帝にクボが新たな「物語」を与える結末は優しいし、かつては結末まで語れなかったクボがきちんと物語を締めた終幕はちょっとぐっとくるものがあります。